タッピング
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タッピングの概要
ねじ穴を作るためのこの工法は、あらかじめ開けられた下穴にタップ(螺旋状の切れ刃が付いた工具)を使って内ねじを形成する技術です。高精度なねじ穴を短時間で多数加工でき、ねじ取り付けが必要な製品に適しています。
タッピングの主要な動作
- 回転運動
タップは軸を中心に回転します。この回転運動により、タップの切れ刃が材料を切削もしくは転造し、ねじ山を形成します。。 - 送り運動
タップは回転しながら軸方向に進みます。この送り運動により、連続的にねじ山が形成されます。 - 同期動作
回転運動と送り運動は、形成するねじのピッチに合わせて正確に同期する必要があります。
山口ナットのタッピング工法
- ベントタップ:主に短尺のナット製品をタップ加工する場合の工法です。常時回転しているベントタップ(工具)にワークを押し込み、ベントタップ先端の刃の部分をワークが通過する際にねじ山が形成され、ベントタップ末端から排出されます。一方通行で加工できるため、生産性が高いというのが特徴です。
- ピッチ送りタイプ:主に、袋穴製品をタップ加工する場合の工法です。切削タップで加工を行うと、穴内部への切粉残留リスクがあるため、袋穴タップ加工の場合、当社では切粉が発生しない転造タップで行います。
タッピングのプロセス
- 下穴の準備: フォーマー加工時に予め穴を成形しておきます。
- タップの選択: ねじのサイズ、ピッチ、材質に適したタップを選びます。
- タップの取り付け: タッパーに取付けます。
- 加工油の使用: 摩擦を減らし、加工性能を向上させるために加工油を使用します。
- タッピング作業: タップを回転させながら穴に挿入し、ねじ山を形成します。
タッピングの利点
- 迅速かつ効率的に雌ねじを形成できます。
- 様々な材料に対応可能で汎用性が高いです。
- 手動と自動化の両方の選択肢があり、生産規模に応じて最適な方法を選べます。当社では100%自動化となっております。
タッピングの注意点
熱管理: 加工時に発生する熱がねじの精度に影響するため、加工油を使用して温度を適切に管理します。これにより、ねじ山の精度と工具の寿命が保たれます。
タップの耐摩耗性: タッピング加工は工具の摩耗が激しくなる場合が多いため、耐摩耗性の高いタップを使用することが推奨されます。これにより、長期間安定した加工が可能です。
下穴位置の精度: 下穴の位置や角度がずれると、ねじ山の精度が低下し、製品の品質に影響します。正確な下穴位置を確保することで、ねじの締結力や安定性が向上します。
切削速度の調整: 適切な切削速度で加工することで、タップの摩耗を抑え、ねじ山の精度を高められます。特に材料が硬い場合は、低速での加工が望ましいです。
加工油の使用: 摩擦を減らし、工具と材料を保護するために適切な加工油を使用します。加工油はねじ山の仕上がりも向上させます。
工具の選定: 材料やねじの種類に適したタップ(タップ、切削タップ)を選ぶことが重要です。適切な工具選定により加工効率と品質が向上します。
この注意点を守ることで、タップ加工の品質や生産効率が向上し、製品の信頼性が保たれます。