冷間圧造
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冷間圧造の概要
金属を常温で高圧力をかけて成形する技術です。素材の強度を高め、精密な形状を実現し、加工後の追加処理が少なく、コスト削減や高品質製品の製造に適しています。この工法は主にフォーマーと呼ばれる横型多段鍛造機械を用いて行われます。
冷間圧造の特徴
フォーマーは以下のような特徴を持っています:
- 切断・トランスファ機構が内蔵され、材料投入から最終工程まで連続自動化が可能
- 毎分数十個から数百個の高速生産が可能
- 連続自動生産により、加工精度のばらつきが少ない
冷間圧造の工程
冷間圧造の一般的な工程は以下の通りです:
- 材料準備: SWCH規格の鉄材などの専用に調整された材料を用意します。
- 切断: 材料を所定の寸法に切断します。
- 金型への挿入: 切断された材料を金型に挿入します。
- 成形: 金型内で大きな圧力をかけながら、以下のような加工を行います:
- 絞り加工
- 据え込み加工
- 穴開け加工
- 仕上げ: 必要に応じて仕上げ加工を行います。
冷間圧造の利点
- 材料ロスの低減: 素材のロスが非常に少なく、コストを抑えられます。
- 高精度加工: 熱による歪みの発生を抑えられるため、高い加工精度を実現できます。
- 高強度: 内部組織が微細化され、ファイバーフローが形成されることで、製品の強度が向上します。
- 高速生産: 加工スピードが速く、生産性が高いため、大量生産に適しています。
- 表面品質: 高い表面品質が得られ、追加の仕上げ加工が不要な場合が多いです。
冷間圧造の課題
- 初期コスト: 金型の製作が必要なため、初期費用がかかります。
- 設備調整: 加工設備の段取りや調整に一定の時間がかかります。
- 少量生産への不向き: 金型製作が必要なため、少量製品への対応には不向きです。
冷間圧造の用途
冷間圧造は自動車部品、締結部品、その他産業用の大量生産部品の製造に広く用いられています。近年では、高精度化、複雑形状部品の生産、省力化、無人化などのニーズに応えるため、フォーマーの特性を活かした生産方法がますます重要となっています。
冷間圧造は、高品質な部品を効率的に大量生産する上で非常に重要な加工技術です。材料の特性を最大限に活かしながら、高精度かつ高強度な製品を生産できる点が、この工法の大きな特徴と言えるでしょう。